「白い雲 と 黒い雲」
By PAPA
大きな大きなお空に 白い雲と黒い雲がうかんでいました
黒い雲はとても心が優しい雲でした
でも、何故かとても悲しそうにうかんでいます
それを見た白い雲が言いました
「どうしたんだい?何故そんな悲しい顔をしているの?」
黒い雲はとても悲しそうに言いました
「僕が空に浮かんでいると動物達も人々も皆悲しそうな顔をするんだ」
「雨が降るよ!家に入ろう!」って皆が逃げてしまうんだ
「僕はそれを見るのがとても悲しいんだ」
そう言うと、ポトリ ポトリと泣き出しました
白い雲が言いました
「でもね、僕はただ浮かんでいるだけなのに、君は風を吹かせたり、雨を降らせたり出来るじゃない。
僕はそんな君がずっと羨ましいと思っていたんだよ」
白い雲は何とか黒い雲が元気になってくれるたらと思いました
「でも、君を見て子供達は色々なものを想像して笑ったり楽しそうにしているよ、僕は白
い雲になりたかったよ」黒い雲はそう言うと白い雲を置いてどこかに行ってしまいました
そんな日からしばらくして白い雲が空から下を見ると、今まで緑に広がった草原が茶色い
砂漠になっています。
元気に遊んでいた動物達もすっかり見えなくなりました
沢山の人たちが暮らしていた村も今では誰も住んでいません
白い雲は何とか雨を降らせようと思いましたが出来ません
このままではどんどん動物達も人も死んでしまいます
空の上から楽しそうに遊ぶ動物を見るのが大好きな白い雲は、黒い雲を探す事にしました
遠くの山 遠くの遠くの海の向こうまで探しに行きます
大きな大きな山と山の谷間に黒い雲は隠れていました
「やっと見つけた!黒い雲さん!早く僕と一緒に来て!」
白い雲さんは自分が見てきた事を一生懸命黒い雲さんに話ました
黒い雲さんは白い雲さんの言う事を一生懸命聞きました
そして白い雲さんと一緒に茶色く広がる砂漠に戻って来ました
「さあ 黒い雲さん、沢山雨を降らせて!」白い雲が言うと
黒い雲は「えい!」と叫びました
大粒の雨が「ザザザ~」と黒い雲から降り出します
「そら!」風も吹き出し嵐になりました
黒い雲は不安そうに言います
「白い雲さん、こんなにしたらまた皆が悲しい顔をして逃げ出しちゃうんじゃないかな?」
白い雲は黒い雲の風に飛ばされそうになりながらも「大丈夫、ほら下を見てごらん!」
黒い雲が下を見ると、どうでしょう!
茶色だった砂漠に緑の草が元気に芽を出しています
もっともっと・・・黒い雲は沢山の雨を降らせます
暫らくするとあたり一面に緑が広がり、動物達も戻って来ました
捨てられた村にも人が戻り、黒い雲を見て皆笑ってくれる様になりました
白い雲と黒い雲も笑顔になりました
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4歳になる長女に「ね~雲のお話して~」とねだられたので、とっさに思いついたお話です。